稼ぎをたくらむ1年生

5年前次女が1年生だったときのこと。
小学校生活最初の夏休み、次女は自由工作の宿題に「アイディアちょきんばこ」を選んだ。
出来上がったのはビー玉を転がすコリントゲームがついた貯金箱だった。

そうめんの箱に割り箸でビー玉が転がるコースをつけたコリントゲーム。
コリントゲームの台の部分をボール紙製の貯金箱にした。
おお、ゲームも楽しそうやし形も合理的。遊べる貯金箱、なかなかええやん。

そこに色を塗ったり飾り付けをしたりして「あそべる貯金箱」は完成した。
かと思っていたら、最後に次女は10センチ紙を用意した。
そしてそれを看板のようにコリントゲームの目立つところに貼り付けた。

そこに書いてある文字を見てパパは目を疑った。
次女のアイディアは自分があそべる貯金箱なんかではなかった。
恐ろしい子!

その看板には、
【いっかい10えん】
と書いてあったのだ!

アイディア貯金箱。
次女のアイディアは貯金箱で「あそべる」ことなんかじゃない。
自分の貯金箱に他人がお金を入れてくれるアイディアを形にしたものだった。

「1かい10えん、やすいやろ」
9月1日、意気揚々と次女はその貯金箱を学校に持っていった。
次女のたくらみが成功したのか、パパは知らない。