子どもと長く関わるための読み聞かせ〜絵本からラノベへ〜

「あのな、キューバットの世界にはな…」
小六次女が読んでいるラノベの内容を熱烈に説明してくれた。そして「パパも読んで!」
まさか、娘から読書を勧められるとは思わなかった。

長女次女を通して10年間、ほぼ毎晩絵本の読み聞かせをしていた。
まずは長女がパパの読み聞かせを卒業し、そして次女も卒業して5年経つ。
次女の卒業にはとてもわかりやすい経過がある。ある一冊の絵本を通した経過だ。

次女がハマった絵本『100かいだてのいえ』シリーズ。
男の子が100階建ての家を探検しに行く。その家は10階ごとに違う動物が住んでいる。
すごいのはこの設定がすべて絵になっていること。

絵本やから当たり前?と思うならこの絵本を開いてしっかりと見てみればいい。
100階の部屋が全て書いてあり、全ての部屋の中で何かが起こっている。
ご丁寧なことに、次の回に上がる階段も一段一段全て書いてある。

見開きに10階分×10ページ。文字は見開きごとに10行ずつだけ。
大人のペースで文字を音読していくと、どんだけゆっくり読んでも1見開き30秒で通過する。
しかし、次女は違う。ハマった当時3歳の次女は字が読めない。絵を見ている。

次女は100階建ての家を本当に探検する。
人差し指と中指の2本で、丁寧に描かれている階段を一段づつ登るのだ。
そして1階ごとに部屋の中で起こっていることをじくり観察する。

そうして確認していくと、どんだけ早く観察しても1見開きに2分はかかる。
1見開き2分でも10見開きだと20分だ。寝かしつけのベッドに、娘がこの絵本をもってきたときは地獄だった。
そして続編が出た。『ちか100だてのいえ』。女の子が地下100階建ての家を探検する絵本だ。

次女は読み聞かせにシリーズ2冊を持ってくるようになった。
100階登って、100階降る。最盛期は40分、次女の探検に付き合った。1冊だった頃が天国に感じるくらいの地獄。
そして、さらに続編が出た。心からやめてくれ!と思った。

僕が生まれて初めて出すのをやめてくれ!と思った絵本のタイトルは『うみの100かいだてのいえ』。
60分コースを覚悟した。でも、その覚悟は必要なかった。
3作目がでたとき、次女は小学1年生にあがっていた。買ってもらった3冊を次女は1人で楽しむようになっていたのだ。

こうして、パパの読み聞かせはフェードアウトした。
数年ぶりに次女から読んでと言われた本。読み聞かせをするわけじゃない。
だけれども同じ物語を一緒に楽しむという意味では読み聞かせとおんなじだ。

魔法少女もののラノベ…しかも結構分厚い全3巻…うーむ…
いっちょう読んで、次女の世界に入ってみましょう。
読み聞かせのはるか延長に、こんな子どもとの関わり方があるとは。