5/6(月祝) ライフデザイン講義 滋賀県立大学

滋賀県立大学のライフデザインの授業で、ゲストスピーカーをさせていただきました。

毎回、様々な人生経験を持つゲストが自身の人生を振り返った気づきを伝えるこの講義、

私は主に主夫を選んだ経緯からその後のキャリアについてお話ししました。

講義の後も数人の学生さんと残って立ち話。

同じ話を聞いても、男性女性、生まれ育った環境によって気づきの部分が全然違うのが面白い。

高齢者と幼児

地元の高齢者サロンでマジックショーをしました。

高齢者の皆さんは本当に素直にマジックを楽しんでくださいます。

それは初めてマジックを見た幼児と同くらい。

 

小学生から大人まで、マジックを100パーセント素直に楽しめる人は少ないです。

それはマジックという芸の特殊性。

秘密を抱えたまま人を楽しませようとする無茶な芸だからです。

 

でも幼児と高齢者は100パーセント素直にマジックを楽しんでくださる。

小児科病棟に勤務している看護師の妻も言ってました。

「幼児と高齢者は一緒や。同じ話何回しても飽きひん」

 

そうなんです。孫が何度同じ絵本をせがんでも、飽きずに読み聞かせしてやれるのは親じゃなくて祖父母。

産業革命前は、親世代が畑仕事をしている間に、祖父母が乳幼児を見ていました。

祖父母と乳幼児の感性は似ている。本来は祖父母が子育てをするのが自然なのかもしれません。

 

現代の核家族での子育てはもともと無茶なことをしようとしている。

そう思えば、ちょっとあきらめがつくかもしれません。

大丈夫、それでも子どもは「普通に」育ちますから。

大津の事故を受けて大人ができること

まず大前提として、あの事故はとってもレアなケースであるということ。

我が子があのような事故に遭う確率はとても低いということだ。

だからといって、あのような事故があっていいわけはない。

 

子どもが外を歩く、それだけで一定のリスクはある。

保育士さんたちは、子どもの安全に最大限の配慮をしている。

保育園の子どもたちは、ちゃんと保育士さんの指示に従って安全に歩いていたはずだ。

 

それでも事故は起こってしまった。

だからといって、子どもの外歩きをやめてしまったら、子どもは楽しく無くなるし、成長の機会を奪われる。

恐れすぎず、でも最大限の配慮をして、外を歩ける環境を担保してやりたい。

 

責任者は誰だ、という声もある。

責任者は日本の大人全員だ。全員に一億分の一の責任がある。と、僕は考えている。

とりとめないけど、今日はこれで。

子どもが縁側から落ちない方法

「子どもたちが縁側ぎりぎりで遊んでいると、ママたちは『あぶない!』『落ちるよ!』ってよく言うんです。

すると子どもはよく落ちる。

でも今日のパパたちはそのまま見守ってますね。すると落ちる子がいない。自分で落ちない程度に遊んでます」

 

とある子育て施設でのこと。そこは縁側のある開放的な場所。

親子向けのイベントや講座を定期的に開催されています。

先日、パパと幼児のための講座をさせていただいたときに、施設の代表がおっしゃった印象的な言葉でした。

 

全部のパパママがこうとは言いませんし、どちらが正解だとも言いません。

だけど子どもへの関わり方が違うというのは必要なことだと思います。

夫婦で子育てしていると意見がぶつかることは当たり前。

 

ありきたりですが子育てに唯一絶対の真理はありません。

縁側ぎりぎりで遊んでいる子どもへの声かけによって、落ちたり落ちなかったりする。

でもそれがわかるのは比べてみたときだけ。

 

子育て施設で何年も親子を見守っている立場だからこその気づきです。

ママ的アプローチもパパ的アプローチも間違いじゃない。

だから親子関係も夫婦関係も、お互いもうちょっ寛容になる場面を増やしていい。

子どもとの距離がぐっと縮まる姿勢

10人くらいの子に囲まれて、プチマジックショーをすることがよくある。

マジックショーをするとき、僕は立っている。

子どものいる『観客席』と、マジシャンのいる『ステージ』を仮想的に見立てて演じている。

 

見立てをせずに自然にすると、子どもたちはマジックを近くで見ようと押し合いへし合い、もみくちゃになる。

不思議なことに、実際のステージがなくても、マジシャン自身がステージに立っている意識をすると、子どもにもなんとなくそれが伝わる。

すると10人の子ども全員がが見える見えないの心配をすることなく、マジックを安心して楽しめる。

 

マジックを見せるときは立っている。でもマジックが終わって、子どもがリアクションを返してくれるときは、しゃがむ。

不思議な技を持っているマジシャンから、子どもと同じ立場に「下りる」。

「なんで消えたん?」という子ども質問には、「なんでかなぁ?不思議やなぁ?」と答える。

 

答えをはぐらかしているのではない。共感をしているのだ。

その共感が受け入れられるためにも、しゃがむという姿勢が必要。マジシャン自身が『ステージ』に立ったまま「不思議やなぁ?」と言っても伝わらない。

しゃがめば子どもと共感できる。