「マジシャンを56す言葉をご存知ですか?
見えた・わかった・知ってる、の3つです。
ところで、私はまだ4にたくありません」
内輪や知り合いのパーティや忘年会、砕けた場でのマジックの導入です。
これを言うことでまずは観客にマジックを見る姿勢をやんわり伝えます。
これには理由がありまして。
パーティや忘年会、お酒が入った場は純粋にマジックを楽しむに最適の場ではありません。
お酒で遠慮がなくなって行き過ぎたツッコミをする方もいる。
現象への理解度も下がっているし、参加者の年齢もマジックへの関心度もさまざま。
(マジックなんか見ずに飲み食いしたい、喋りたいって人もいるでしょう)
ステージの仕切りもそれほどはっきりとはしない。
こういう場でマジックをするのが嫌ってわけじゃありません。
めっちゃ楽しい。
でも遠慮を忘れた無粋なツッコミはみんなが楽しめなくなっちゃう。
その中でマジックを楽しみたいと思っている人に最大限に楽しんでもらうには空気を作る必要がある。
お酒の入っていない、コントロールされたマジックショーではこの導入は必要ありません。
そもそもこの言葉自体が無粋なんで、ないほうがいい。
でもお酒の場では予防しておくに越したことはない。
今週2度のマジック(クリパと忘年会)でこの導入をしてマジックを始めました。
ところが、どちらの会でも導入された直後に56す言葉が跳んできた。
「見えた!」
クリパでツッコんだのは1年生の男の子。
かわいいねぇ。
忘年会で突っ込んだのは全盲の男性。
彼の持ちギャグでした。
びっくりしたけど面白かった。
で、僕はどうしたか。
どちらの会でも
「うっ!」
と心臓をおさえてダメージ受けたフリをする。
そうしたら、なんとなくいい空気になるんです。