雨の気分と娘の成長

長女は雨が嫌いな子だった。
雨の朝は大好きな保育園に行くことも躊躇するくらい。
カッパを着て、自転車のシートに乗ることも嫌がった。

一人目の子育ては、真剣で大変だった。
僕自身も長女にカッパを着せて保育園に送ることが面倒臭くて憂鬱だった。
もしかしたら、僕の憂鬱な気分が長女にも伝染してたんじゃないかと思う。

長女は中学校から自転車通学になった。
雨の日も憂鬱がる様子を見せることもなく、カッパを着て3年間自転車を漕いでいた。
高校一年生の現在も自転車通学。雨の日の部活も愚痴も言わずに自転車を漕いでいる。

次女は雨が大好きな子だった。
長女が保育園を卒園してから、パパと2人で保育園に向かう朝は必ず歩いて行きたがった。
傘とカッパと長靴がセットだった。完全装備の次女は無敵だ。

傘で街路樹を叩いて落ちてくる雫を浴びたり、水たまりに突入して長靴の限界に挑戦したりした。
僕自身もそんな次女を見るのが楽しかった。
2人目の子育て、長女の時に比べて僕も余裕ができていた。その気分が次女に伝わったのかもしれない。

小学6年生の今も雨が大好きな次女。相変わらず雨の日は外に出たがる。
傘をさして用水路や広い公園の水路を探索している。
さすがに長靴で水たまりに突入することはなくなったけど。

娘たちは成長した。雨に対する反応一つとってもそれを実感する。
僕自身はいまだに雨が好きか嫌いか、よくわからない。
だけど、娘たちが小さい時に雨の気分を共有できたことはいい思い出だ。