6歳が見たアナ雪、真実のハッピーエンドとは

6年前に大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』。
和田家は家族4人で劇場に行きました。10歳長女、6歳次女、そして妻と僕。

とっても面白くて家族全員ごきげんの劇場からの帰り道で、家族それぞれのアナ雪への感想。

妻「姉妹の話やからよかったわ」
妻も3姉妹で、姉妹の関係が自分と照らし合わせてとっても楽しかったそう。

長女「おもろかった」
ちょっと思春期に入りかけのそっけない感想です。

僕「女性が主人公で、姉妹の関係が全面にでていて恋愛や男性が背景になってる」
「主題歌はありのままにと歌っていたけれど、ありのままでは社会には適合できないことも描かれてる。
「真実の愛は自己犠牲という結論だけど、結果的に誰も犠牲にならないハッピーエンド」

あーもうパパのウンチクうざい!

そんな中、次女が語ったアナ雪の感想に、僕は度肝を抜かれました。
僕が予想した次女の感想は「オラフかわいかった」程度ものもの。
ところが次女が語った感想はまったく別角度からのものでした。

「さいごよかった。ゆきのおばけがあたまにつけるやつかぶってにこってしてた」
この感想には解説が必要です。

次女の言う最後とは本当に映画の最後の最後、エンドロール後のおまけの1カットです。
エンドロール後に登場したのは、エルサの魔法の副作用で生まれた氷の怪物。
彼はエルサの憎しみの心が具象化したもので、映画中盤のクライマックスでさんざん暴れた後に谷に落とされました。

そんな悪役の存在は、姉妹のハッピーエンドとそれに続くエンドロールの主題歌にほとんどの観客が気にしていません。
エンドロール後のおまけは、氷の怪物が氷の城でエルサのティアラをひろって頭に乗せて喜ぶ。
ほんの数秒のカットです。

やっつけられて谷に落とされた孤独な怪物。
でも谷から這い上がって、自分の家に戻れて、しかもティアラを見つけることができた。
次女にとってはそのシーンが本当のハッピーエンドだったのでした。

初見の劇場では気づかなかったのですが、後日DVDで見直したときに気づきました。
最後の最後、ティアラを頭に乗せた瞬間に、怪物のするどい牙と爪が引っ込むのです。
するどい牙と爪は憎しみや攻撃の象徴。それが引っ込むことは怪物の心にも平穏が訪れたことを現します。

孤独な怪物がハッピーになったことを素直に喜ぶ次女。
パパのうるさい分析よりもはるかに本質的なこと。
「にこってしてた」
僕は人間的に次女に完敗です。