【ブログ】マジックショーでの子どもの突進対処法〜ステージある時ない時〜

幼児のいる会場でのマジック依頼は多い。
ステージがある場合は安心してマジックができる。
子どもが立ち歩いていても、ステージまで上がってくることはほぼないから。

でもステージがあると子どもが遠い。
ステージ上と客席の間に壁のようなものができやすい。
できるだけ子どもとの距離は縮めたい。

だけれどもやっていることはマジック。
許可なくマジシャンの隣にきたり、道具をさわってもらったりしても困る。
タネがばれるから、というだけの理由じゃない。

マジックを見ているのはその立ち歩いている子だけじゃない。
タネがばれる心配がなくても、触られても問題がない道具だとしても困ることはある。
それは他の観客の注意がそれてしまうこと。

マジックを集中して楽しむことができなくなってしまうことだ。
子どもとの距離は縮めたい、だけれどもマジックは集中して楽しめる環境でありたい。
ステージがなく、子どもと同じ高さの床の上の方がどちらかといえば好みだ。

ステージがなくっても、そこが保育園や幼稚園なら問題ない。
園児たちは、基本的に座ってみてくれる。
もし立ち上がってマジックをしている前方に歩いてきても先生がうまいこと誘導してくれる。

一般の観客の前で子ども向けの出し物をする時に一番注意が必要だ。
子どもが演技をしている前方に突進しても、すぐに止めてくれる人はいない。
保護者やスタッフが誘導しようとしても、園の先生のようにはうまくいかないことがほとんどだ。

そんな時僕はピタッと動きを止める。
そしてまず子どもに「ここ(前)よりもパパ(ママ)のとなりのほうがよく見えるよ」という。
年齢にもよるけれど、この声掛けで戻ってくれる子は多い。

コツは言葉選びだ。
「立たないで」「歩かないで」と制止するのではない。
「下がって」「戻って」と命令するのでもない。

「あっちからの方がよく見えるよ」とメリットを伝える。
これは幼児さんにでも伝わる可能性が高い。
小学生以上ならほぼ確実にもどってくれる。

もし戻ってくれなければ、マジックパパはぴたっと止まったまんまだ。
そのうち保護者やスタッフさんが子どもを誘導してくれる。
子どもが元の場所に戻ってからマジックを再開する。

あ、もっと大事なことがあった。一番最初にこれを言うこと。
「何があっても座って見てね。そうすれば不思議なことが起こります」
命令じゃなくってお互いの利益になるように。

 

和田のりあきのnote