10人くらいの子に囲まれて、プチマジックショーをすることがよくある。
マジックショーをするとき、僕は立っている。
子どものいる『観客席』と、マジシャンのいる『ステージ』を仮想的に見立てて演じている。
見立てをせずに自然にすると、子どもたちはマジックを近くで見ようと押し合いへし合い、もみくちゃになる。
不思議なことに、実際のステージがなくても、マジシャン自身がステージに立っている意識をすると、子どもにもなんとなくそれが伝わる。
すると10人の子ども全員がが見える見えないの心配をすることなく、マジックを安心して楽しめる。
マジックを見せるときは立っている。でもマジックが終わって、子どもがリアクションを返してくれるときは、しゃがむ。
不思議な技を持っているマジシャンから、子どもと同じ立場に「下りる」。
「なんで消えたん?」という子ども質問には、「なんでかなぁ?不思議やなぁ?」と答える。
答えをはぐらかしているのではない。共感をしているのだ。
その共感が受け入れられるためにも、しゃがむという姿勢が必要。マジシャン自身が『ステージ』に立ったまま「不思議やなぁ?」と言っても伝わらない。
しゃがめば子どもと共感できる。