子どもの「もう一回」と大人の「もう一回」は違う

マジックをしていると必ずかけてもらう言葉があります。

「もう一回やって」

老若男女問わず、必ず言ってくださいます。

 

幼児の「もういっかいやって」は純粋です。

ただもう一回、同じ不思議を体験したいだけ。

だからタネがバレない程度にリクエストに応じます。

 

でも年長から小学生になると、油断できません。

「もう一回やって」に別の動機が加わります。

それはなぜそうなったのかを知りたい、という好奇心です。

 

だからリクエストには応じません。

不思議は不思議のまま楽しんで欲しいから。

さらに欲を言えばタネを自分で見つけて、マジシャンになって欲しいからです。

 

大人のもう一回やっても好奇心ですが、そこにさらに敵意が入ることが多い。

「見破ってやる」「お前に負けるもんか」これは特に男性に多い。

勝負はマジックの目的ではないので、できるだけそれを伝えるような雰囲気で終わります。

 

だからほとんどのマジシャンは「いい人」です。

マジシャンが一番機を配るのは、マジックを見せる場が楽しい雰囲気であること。

これが手先の技術よりも何よりも一番難しい。

挨拶が苦手な子のヒミツ

挨拶の苦手な子がいる。

当たり前。挨拶の苦手な大人もいるのだから。

ほとんどの大人はたとえ挨拶が苦手でも挨拶はする。

でも挨拶が苦手な子どもは挨拶をしない。

 

これには挨拶ができない場合と、挨拶しないことを選択している場合のふた通りがある。

それでも、ほとんどの大人が挨拶をしていることを考えたら、子どものうちに挨拶できない、しないことなんてほとんど心配しなくていい。

大人になったらするんだから。

 

その子が大人になるまで挨拶できる大人側から挨拶し続ける、簡単なお仕事。

それでも早く挨拶できる子にしたい時、大人は「挨拶しなさい」という言葉をかけがちだ。

でもその言葉で子どもが挨拶するようにならない。

その場ではするかもしれないけれど、それだけだ。

 

「挨拶はしたほうがいいと(私は)思うよ」

「挨拶したほうが得やで」

そう声をかけて、挨拶で得をしている大人自身の姿を見せる。

それしかないんじゃないかなぁと思ってる。

家族の夕食カウントダウン

3/3は結婚式記念日(入籍日はまた別)。結婚17年に突入です。

ひな祭りディナーの買い出しに夫婦でスーパーに行きました。

娘たちはそれぞれ用事があってついてきませんでした。

 

結婚当初からよくスーパーに2人で行ってました。

最初の頃は呼吸が合わなくって、売り場でまごまごしたり、レジでおたおたしたり、袋詰めで争ったりしました。

17年もやっているとツーカーです。

 

大体お互いが回りたいコースも把握しているし、レジから袋詰めの流れは流れるように役割分担。

争いがない代わりに、ほぼ無言になってしまうという弊害もあったりします。

それでも車に積み込んだら、長女の受験のことをぼそぼそと喋りながら帰宅しました。

 

ひな祭りディナーは手巻きすし。

17年をささやかに振り返りながら、まだ家族4人で食事ができる状況をありがたく感じました。

だって来年はFJK(ファースト女子高生)の長女。

いつまで一緒に夕食できるのか、カウントダウンを実感しているから。

新年度だいじょうぶ

子育ての目的のひとつは子どもを自立させることだと考えている。

自立とはなんでも自分一人でできるということではない。

自立とは、親から離れても生きていけるようになることだ。

 

初めて保育園に預けるとき、初めて幼稚園バスに載せるとき、初めて一人で登校するとき。

年度がわりに新しいステップに挑む子どもを見守るのには不安が伴う。

しかし、保育園や幼稚園・小学校で、親から徐々に離れていく子どもは、順調に成長しているのだ。

 

だから大丈夫。

3歳までの子と全力で遊ぶ

日曜の朝、クレオ大阪中央に集ってくださった父子は6組。

0歳から3歳のパパ向けに子育て講座をしてきました。

すべての子どもにパパがついているとはいえ、0~3歳児が7人いる環境はカオスです。

制御がほとんど効かない子どもたちと一緒に、絵本・タオル・古紙などで遊びました。

ただ遊ぶのではなくて、パパが子どもと仲良くなるコツやその遊びの講座を口でお伝えします。

このおしゃべりが、子どもがカオスの状態ではなかなか届きにくい。

 

しかし、乳幼児のいる環境は本来こう言う状態が普通。

普段、大人だけでいられる環境がめぐまれているとも言えます。

こういった講座に来てくださるパパたちは、普段から子育てに関わられているかたがほとんど。

それでも120分、乳幼児と一緒にプログラムに参加するのは苦労します。

 

でも、好き勝手に全力で動く子どもに対して、親も全力で遊んでやれるのは子どもが小さいうちだけ。

子どもが乳幼児のうちに、全力を出すことを教えてやる。本当の全力でぶつかれるのはもしかしたら3歳くらいが限界かもしれません。

4歳5歳になったら子どもの身体は大きくなり力も強くて、全力でぶつかってこいなんてことが難しくなる。

そのうちに子どもは親を追い抜いて、親の全力が子の全力に勝てなくなります。

 

今日参加してくださった6人のパパさん、全力で我が子と遊んでくださいました。

乳幼児のあいだに全力を出すことを覚えた子どもは、大きくなっても自分の力をコントロールできるようになります。