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親子あそび講座の会場で、だっこから降りない子がいた。
親の肩に顔を埋めてほどんと周りを見ようとしない。
親はあそびを楽しむ気まんまんで、最前列のマジックパパ正面に座って開始をおられる。
「ほらほら」って子どもの顔を前方、僕の方に向けようとする。
年齢を聞くと2歳になったところだそうで。
僕は「気が向いたらこっち向いてな」とその子に声をかけて講座を始めた。
僕の娘もこんな感じだった。初対面の人がいる見知らぬ場所に行くと僕の抱っこから降りない。
でもそれは時間がかかっているだけなのだ。
場所と人に慣れて安心するまでに時間を要するだけ。
子どもは大人よりも弱い。
大人は大きくて強い。そして自分の敵か味方かもわからない。
だから警戒して信頼できる親にしがみつく。
子どもには当然の生存戦略だ。
その子もしばらくすると親の膝に座った。後半には親の横立て遊びに参加しはじめた。
そして講座が終わる90分後にはひとりで前に来てマジックパパにタッチをしてくれた。
子ども好きとおっしゃる方はよくおられる。
その中になかなか子どもと打ち解けられない方がけっこういらっしゃる。
そういう方の行動を見るとほとんどがどんどん子どもに話しかけ、子どもに触ろうとされている。
子どもが初めての場所や初対面の大人に対応する準備ができていないうちに。
正体不明の初対面の相手に、そのつもりじゃない場所でぐいぐい営業されたりナンパされているようなもの。
子どもに信頼されるには、子どもの状態が整うのを待つこと。
待ってもそのタイミングは訪れないときもあるけれど、それはしようがない。
ナンパしてもほとんどの異性は振り向かない。
だけれども、子どもを待つことで信頼される方法はナンパよりもはるかに成功率が高いです。